『ブレードランナー ファイナル・カット』近未来SFの金字塔
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SF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作としている作品だが、どちらかといえばアイデアを採用した原案の扱いに近いのではないだろうか。デッカード(ハリソン・フォード)が人間に反逆を起こしたレプリカント(人造人間)を処分することを命じられ、様々な葛藤や苦悩を抱えながら任務に奔走する姿を描いている。
レプリカントは身体能力や知力が一般的な人間と比べて優れているが、外見は見分けがつかない。
しかし、デッカードは瞳孔を観察しながらいくつかの質問をすることでレプリカントを見抜くことができる。
それにより、レプリカントを開発したタイレル社の社長秘書であるレイチェル(ショーン・ヤング)が
レプリカントであることを見抜くが、最新型のレプリカントであるレイチェルは自分自身も
その疑念を抱いており、デッカード宅に真相を尋ねに訪れるが、自我の揺らぎによる混乱のまま部屋を後にする。
デッカードが処分を命じられたレプリカントは4体だが、そのうち1体を殺した後に伝令役から「あと4体だな」と言われ、デッカードが疑問を呈すると、「タイレル社の社長秘書が自分がレプリカントだと気づいて脱走した」ことを知らされる。その直後、デッカードは残りのレプリカントのうち1体に襲われ、絶体絶命の場面でレイチェルにより助けられ一命を取り留める。
デッカードは、レイチェルを家に匿い、彼女に惹かれていることに気づいた彼は
「たとえ命令が下されても君を追うことはない」と告げ、二人は結ばれる。
少し思わせぶりな描写として描かれているのはレイチェルがデッカードに
「レプリカントを見抜く質問を自分で受けたことはある?」と意味深な問いを残した場面と
4体のレプリカントのうち3体を処分した後に「これで最後だな」「彼女は少ししか生きられなくて残念だな」と
告げられる場面であろう。
処分すべき4体のレプリカントとはいったい誰だったのか・・
デッカード自身がレプリカントであり、処分されるべき最後の一体だったのではないか、と想像できなくもない。
本作の続編である「ブレードランナー 2049」が上映中だが、謎が明らかになるのだろうか。
今でこそ、AIやロボット、アンドロイドなどが感情を得て人間に反乱を起こす物語はありふれているかもしれないが
原作である『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』と同様に、このような映画が当時としては画期的であったことは
想像に難くなく、また、製作年が1982年であることにも驚きを禁じえない。
近年に至るまで、この映画の影響を受けている作品が数多く見受けられ、その意味でまさに金字塔といえる映画であろう。
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- 『ブレードランナー ファイナル・カット』近未来SFの金字塔 (11/05)
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